緋月の空間　漆黒の心

第五話

「それ以上言ったら…」

「やめて…どこに連れて行くの？いや…閉じ込めないで…」

「ど・どうしたの？シスミリア！」

「…どうかしたのかしら…？シスミリアどうしたの？」

「「…！？」」

「…助けて、助けてよ…ねぇ、ここから出して…暗いよ…お兄ちゃん…どこ行ったの？…シスはここにいるよ…暗いよ…」

「…大丈夫だ！！俺はここにいる」

「お兄ちゃん？」

「ああ、そうだ…俺はここにいるよ。だから、安心して寝て良いんだよ…悪い奴は来ないよ…来ても俺が追い払ってやる…」

「本当？本当に来ない？」

「ああ、悪い奴なんて来ない…俺が…俺が守ってやる、だから安心して今は寝な…起きるまで俺が手を握っててやるから」

「うん…」

スゥ…

「…ごめん、ジル…３歳の時って、シスとジルが大変たった時期でもあったんだよね…」

「ああ、でも、俺は正直言ってシスミリアが過去の記憶を失ってて少し安心している…このまま無いままでいて欲しいとさえ思っている…」

「…そんなつらい過去の話を聞こうとしていたのね…私たち」

「…わざとじゃない事知っている…ティミ、布団って確か２階だったよな？」

「あ…うん。抱いたままじゃ部屋は入れないでしょ…付いて行く…。」

「私も…」

「よいしょっと、いや…どっちかって言うと、リュードの方が良いな…それと、リルーナはここを頼む…」

「何で！？」

「な…何でだよ！！俺は関係ないだろ！！」

「…わかった」

「何でって、ティミが来たらリルーナが途中でティミを連れて行くからだな、それだったら最初からリュードの方がいい…煩くしてシスが起きるのは避けたい…」

「…わかった、リュードお願い」

「…い」

「あ！そうそうリュード君これ、お茶とお菓子…持っていってあげてくれないかしら？」

「お願いね～リューちゃん！！」

「否定権無しかよ…わかったよ行けばいいんだろ！！」

ドタドタドタ

「…ジル」

「リルーナ…後は頼むな…」

「ええ…。ごめんね…シス」


ジルファ　Side


トントントン

「ここなら空いている」

「…リュードは今でもシスミリアを許せないか？やっぱり憎いか？」

ガチャ

「お前には関係ない」

「よいしょっと」

「用が済んだなら俺は下に行く」

「もし、本当は來牙(ライガ)がお前達を裏切っていたと言ったらどうする？」

「ライ兄が裏切るわけない！！だって、俺達を拾ってくれたのはライ兄だから…絶対裏切ってない…」

「そっか…だが、本当に來牙が裏切っていた…お前達も利用して」

「嘘だ！！」

「悪いが嘘じゃない…裏切っていたのは來牙だった。シスが來牙に会いに行く前に直接聞いた…シスはお前達が俺達を監視していた事、最初から知っていた」

「！？」

「俺達が利用されている事も…」

「じゃ・じゃ、何で知っていて、何も言わなかった！！」

「お前達が來牙を慕っていたからシスは知らない振りをしていたんだ」

「何でそんな振りを…」

「振りをしないと俺やお前達に被害が及ぶと思ったんだろ…。だけど、來牙はお前達を利用して他のところに情報を流し俺達を殺そうとしていた。そして、その犯人をお前達に押し付ける計画をしていた。シスはそれが許せなかった。お前達を利用するだけ利用して捨て駒にした來牙を…だから、來牙に話しに行く前にシスは俺のところに来て全てを話し終わったときに…シスは『だから來牙を倒す…例えあの子等に裏切り者と言われても私は來牙を許さない。』そう言って來牙のところに行った…。」

「何故俺達のことを心配した！！お前達には関係ないだろ！！」

「リュード達には俺達のようになって欲しく無かったからだと思う…まぁ、信じるも信じないもお前次第だけどな…」

「…くぅ、頭冷やしてくる…」

ガチャ…バタッ

「はぁ…。なぁ…シスなんであの時、こんな…」


『それだけじゃないんだろ？』

『うん…、それだけじゃない…ジルにやってもらいたいことがあったからここに来た。來牙と闘ったら今の私じゃ多分良くて共倒れ…』

『…だったら』

『だから…私の記憶をこの水晶に移して…』

『何故！？採ったら…』

『うん、全てを忘れるよ…だけど、守れるものはある…』

『…シス』

『そんな顔しないでよ！術が完成するまで覚えていられるんだから…ね？』

ドン

『…くっ』

『ごめんね…もう少ししたらリル姉が来るから…お願いね…』

『ま・待て…』

『ジル兄…これ頼むね…また無事に逢えたら…これ返してね！！それまでは誰にも渡さないで…』

『(行くな！！シス…)』


「こんな物を…？こんな物…渡すなんてな…俺も忘れてたのにな…あの人の最初で最後のプレゼント…だからか？」

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あとがき

はい…多少変わっています…。だって読んでいたら何か変だったからさ…。
日記で書いていたのをここに移してますよ～
だって話一気には考えれないもんね～

最新　05年04月8日

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